2022年4月8日金曜日

国連人権理事会がロシアの理事国資格停止の決議を採択

4月7日(木)ウクライナの首都キーフ近郊などでの市民虐殺事件を受けてアメリカなどが中心となり、「ロシアによる重大かつ組織的な人権侵害に強い懸念を表明する」として、ロシアの国連人権理事会の理事国としての資格を停止するよう求める決議案を国連総会に提出。日本は決議案の共同提案国に加わった。

 採決の結果、賛成93か国、反対24か国、棄権58か国。棄権と無投票を除いた国の3分の2以上の賛成で決議が採択された。

 ロシア国連次席大使は「現地の実際の人権状況と何の関係もない。ねつ造された資料や演出された映像、フェイクに基づくわれわれへの誤った侮辱を拒否する」と強く反発。

 アメリカのバイデン大統領は「プーチンの戦争がロシアを国際的なのけ者にしたことを改めて示す、国際社会による意味のある一歩だ」と述べた。

 国連人権理事会の理事国の資格が停止されるのは、2011年に反政府勢力を武力で弾圧していたカダフィ政権下のリビアが停止されて以来、2例目。


●賛成:欧米や日本、韓国など93か国。


●反対の24か国は、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、イラン、シリア、アルジェリア、中央アフリカ、コンゴ、エチオピア、ジンバブエ、ブルンジ、エリトリア、ガボン、マリ、中国、北朝鮮、ベトナム、ラオス、キューバ、ボリビア、ニカラグア。

 このうち中国やベトナムなど18か国は先月、ウクライナの人道状況の改善を求める決議には棄権したが今回は反対に回った。


●棄権の58か国はインド、ブラジル、メキシコなど。このうちブラジルやメキシコ、それにUAE=アラブ首長国連邦など39か国は先月、ウクライナの人道状況の改善を求める決議には賛成したが今回は棄権に回った。ブラジルは「国連人権理事会でウクライナの人権状況を調査する委員会の設置が決まり、同委員会による独立した客観的な調査の結果を待つべきだ」という考えを示した。インドは前回に続き棄権。

2022年4月5日火曜日

4月4日キーフ近郊ブチャでのジェノサイド報道

 4月4日 ロシア軍が撤退したウクライナの首都キーウの北西のブチャなどで多くの市民が死亡しているのが見つかった。ゼレンスキー大統領は4日、300人以上の市民が殺害されたり、拷問を受けたりしたという情報があるとのビデオメッセージを流した。


 またゼレンスキー大統領は4日、ブチャで報道陣の取材に応じ「数千人の市民が戦車でひき殺されたり手足を切断されたりし、女性は暴行を受け、子どもたちも殺されている。世界はこれが戦争犯罪だということを認めなければならない」「これは戦争よりひどい。ジェノサイドだ」と非難。


 同大統領は、犯罪に関与したロシア軍を特定し罰するためにEUや国際刑事裁判所などの国際機関と協力していくと述べた。


 ロシア軍に包囲されている東部の要衝マリウポリの市長は「ロシア軍の攻撃が激しさを増していて、町の9割近くが破壊され、4割は修復ができない状況だ」「いまも10万人以上の住民が取り残されていて食料や水、電気などがない状態が1か月以上も続いている」と訴えた。



 欧米各国はロシアに対して新たな制裁の動き。米サリバン大統領補佐官は、同盟国、友好国と協議し、今週中に新たな制裁を打ち出す見通しを示した。


 フランスとドイツは多くのロシア外交官の追放を決定。


 ロシア大統領府は「いかなる非難も断固として拒否する」と述べ関与を否定。


 松野官房長官は「強い衝撃を受けている」「民間人の殺害は重大な国際人道法違反」「厳しく非難する」「ロシアに対する制裁措置はG7などと連携し引き続き適切に対応する」


 米国防総省によると、キーウに展開していたロシア軍は3分の2が現地を離れ、ベラルーシへ移動し、補給や人員の追加を受けたあと、ウクライナ東部などでの戦闘に再び投入される可能性があるという見方を示した。


スーダン情勢

スーダンでは4年前の2019年4月にパンや燃料の値上げに抗議する市民のデモをきっかけに、軍がクーデターを起こして独裁的なバシール大統領を失脚させ、30年にわたる長期政権が崩壊。同時期にアルジェリアでも反政府デモで長期政権が崩壊したため「第2のアラブの春」と呼ばれた。  軍は民主化...