4月7日(木)ウクライナの首都キーフ近郊などでの市民虐殺事件を受けてアメリカなどが中心となり、「ロシアによる重大かつ組織的な人権侵害に強い懸念を表明する」として、ロシアの国連人権理事会の理事国としての資格を停止するよう求める決議案を国連総会に提出。日本は決議案の共同提案国に加わった。
採決の結果、賛成93か国、反対24か国、棄権58か国。棄権と無投票を除いた国の3分の2以上の賛成で決議が採択された。
ロシア国連次席大使は「現地の実際の人権状況と何の関係もない。ねつ造された資料や演出された映像、フェイクに基づくわれわれへの誤った侮辱を拒否する」と強く反発。
アメリカのバイデン大統領は「プーチンの戦争がロシアを国際的なのけ者にしたことを改めて示す、国際社会による意味のある一歩だ」と述べた。
国連人権理事会の理事国の資格が停止されるのは、2011年に反政府勢力を武力で弾圧していたカダフィ政権下のリビアが停止されて以来、2例目。
●賛成:欧米や日本、韓国など93か国。
●反対の24か国は、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、イラン、シリア、アルジェリア、中央アフリカ、コンゴ、エチオピア、ジンバブエ、ブルンジ、エリトリア、ガボン、マリ、中国、北朝鮮、ベトナム、ラオス、キューバ、ボリビア、ニカラグア。
このうち中国やベトナムなど18か国は先月、ウクライナの人道状況の改善を求める決議には棄権したが今回は反対に回った。
●棄権の58か国はインド、ブラジル、メキシコなど。このうちブラジルやメキシコ、それにUAE=アラブ首長国連邦など39か国は先月、ウクライナの人道状況の改善を求める決議には賛成したが今回は棄権に回った。ブラジルは「国連人権理事会でウクライナの人権状況を調査する委員会の設置が決まり、同委員会による独立した客観的な調査の結果を待つべきだ」という考えを示した。インドは前回に続き棄権。