2023年2月15日水曜日

日本の防衛・外交体制の現状

 ・最近のニュースから。中国の気球が国際的に問題になっている。日本にも何年も前から飛んできていたという。そのことは専門家や関係者などには分かっていたと思うが、アメリカが騒ぎ始めたこのタイミングで、あたかも初めて気が付いたかのように言うのは、日本という外交資源が必ずしも十分ではない国にとっては戦略的に必要なことかもしれない。もし日本が数年前にそれに気づいた時に中国に言っても、中国から満足な回答は期待できないだけでなく、逆に仕返しをされたり、日本は根拠薄弱なことで文句を言う国、みたいなレッテル貼りキャンペーンをされるかもしれない。しかし今このタイミングで言えばそうはならない。中国が悪いという世界世論に乗れるし、中国はアメリカや世界世論に対さなくてはいけないので日本に反発するエネルギーを十分に確保できないこのタイミングで中国に抗議するというのは、日本にできる最大限の外交戦略ではないだろうか。


・日本が防衛費を上げて、それを増税によって負担するということに国内世論は厳しい。しかし今日本が置かれている立場を考えれば他に選択肢があるとは思えない。アメリカはウクライナ支援で世界一の経済大国なのに過大な負担をしている。欧州もまた負担感が大きい。ここで古い冷戦時代の構図がそのまま蘇ってきて、ロシア、中国、北朝鮮などが日米欧が作る国際秩序に対抗してきている。世界的には戦争と冷戦の半ばにある。その時、欧米が負担する防衛体制にただ乗りは決して許されない。それをやろうとすれば1990年代の湾岸戦争の時のような反発を、味方であるはずの欧米から受ける。日本は、どんなに負担感が強くても、この新しい冷戦の中で防衛体制の軍事負担を負わなければいけない。まずは日本自身の直接の防衛負担。これをして、アメリカが安保条約に基づく日本防衛を最小限にすることがまずは日本の西側への最小限の貢献になる。これに反対する政治家や政党は、これは中国などからの工作活動で操られていると思われても仕方ないと思う。


スーダン情勢

スーダンでは4年前の2019年4月にパンや燃料の値上げに抗議する市民のデモをきっかけに、軍がクーデターを起こして独裁的なバシール大統領を失脚させ、30年にわたる長期政権が崩壊。同時期にアルジェリアでも反政府デモで長期政権が崩壊したため「第2のアラブの春」と呼ばれた。  軍は民主化...