2021年9月29日水曜日

中国はバブル崩壊真っ只中

  中国では各地で大規模な不動産開発をしている物件がそのまま廃墟になったりする事案が多数出ているようで、その画像をみると日本のバブル崩壊がそのまま規模を大きくして再現されているとしか言いようがない状況。

 中国はかねてから日本のバブル崩壊という失敗を徹底的に研究してきたと言われている。その挙句がその失敗をそのまんま繰り返しているようにみえる。不動産の大規模開発は、大きな経済活動をするのに不可欠で、それが成功すれば大きな経済発展につながる。貴州省は中国でも最も貧しい地域と言われるが、そこで壮大な建造物を建て、観光の目玉にしようとして、それが失敗しそのまま廃墟になったなんてのはバブル時代の日本の地方で見たことのデジャヴかと思うほどだ。

 このことから分かるのは、不動産バブル崩壊というのは、いくら研究して、その失敗を意識して避けようとしても、経済活動には大きな先行投資が有効である以上、ほぼ避けることができないということだと思う。それは米国ではリーマンショックという形で起きた。失敗をおそれて先行投資が小規模であればそれは経済的利益のチャンスをみすみす見逃すということにもなる。だから特に経済成長を重んじる場合、それはやはり避けがたい。逆に日本はバブル時代の負の遺産が物理的にも心理的にも大きすぎて、大規模な不動産事業への先行投資に及び腰なので経済成長があまりできていないということもたぶんあると思う。そんな中でリニア新幹線なんかはよくやったほうだと思う。


 今中国では恒大グループという中国不動産最大手の超巨大企業が30兆円以上の負債を抱えて、それが最近になって世界同時株価安を招いたことで急に最近になってニュースを賑わすようになっている。他にも、中国国内では各地で大規模な洪水が起きたり(ダムの大規模な放水が原因だとも言われる)、大規模かつ長期の停電が起きたりしているという。国際社会では台湾が国際社会で歓迎され、中国は北京五輪を前に人権問題でボイコットする国が出るのではないかとも言われたりして、旗色が9月に入ってどんどん悪くなっているように思える。不動産バブル崩壊ということはそれこそ20年以上にわたって言われてきて、鬼城なんてことは何年前に言われたことだろう。それが、今年になって半導体企業大手が経営破綻か何か起こすなど、大企業がたて続けに不具合を起こしたりしている。中国崩壊論はずっと言われてきたが、最近はそれがかつてないほどリアルな様相を呈してきている。今まだ我々に届いていないような剣呑なニュースがこれからも新たに出てくる予感でいっぱいである。

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