2019年8月29日木曜日

日韓関係に思うこと

GSOMIAというものが韓国側の通告で終るという。そして韓国からの観光客も激減し、韓国では日本製品の不買運動も行われているという。
これについてどう思うかというと、韓国の対応はエモーショナルで、彼らは自らのエモーションの状態によっていろんな日本との関係を終らせたり縮小させたりしている。
それがどの程度日本に影響があるかについては分野ごとに違うだろうが、これは今に始まったことではない。従って将来もあることである。
そういう場合、日本側はどういう対応をとればいいかというと、時々の政治マターで彼らはいつでもGSOMIAのような政治的なものだけでなく、経済、文化交流なども縮小したり関係断交をしてきたし、今後もそれは続くと考えざるを得ない以上、こういうことは常に起ることを前提にすべきだ。
韓国を前提にした文化交流は、当事者の韓国人がいくら日本が好きで日本人とうまくやり、日本との交流を心から望んでいても、日韓の政治問題で、その交流が突然中止になることがありえる。
韓国との経済関係は、突然中止され、去年の売上が今年は激減することがありえる。
そういう政治リスクが常に高い国であるという認識が必要で、彼らと取引する時は、常にこれはいつでもなくなる特需なのだ、という経済リスクを含むということを前提に据えなければいけない。
韓国の今の左翼政権が特殊であって、韓国内には文在寅が大嫌いな保守派も多いというが、しかし彼らは独裁政権ではなく民主的手続きによって選ばれた政権であり、その裏側には大きなしっかりした民意があり、彼らはその民意に支えられて政権運営をしている。その反動で次には保守派政権ができる可能性もあるが、しかしまたその次に同じような左派政権ができる可能性が常にあるし、保守政権だって、たとえば日本の政治家発言に反発して反日的発言をしたり、両国の文化交流を中止するということをしなければ国内の支持が得られない。韓国は間違いなくそういう国である。

韓国は1965年の日韓の基本的な取り決めを一方的に反故にし、いわゆる徴用工問題で請求権を再び出してきた。これは1965年の国交回復の前提を崩すことで、これによって日韓関係は質的に変化した、言うまでもなく悪い方向に。しかしそれでなくても、韓国に上記の政治リスクがある以上、日本は韓国との関係、政治・経済・文化・人的すべての関係を、できるならば縮小するのが望ましいということになる。もしこういう交流をするならば、できる限り時々の政治情勢によるリスクが及ばない関係にすべき。具体的には、どんなに日韓関係が悪くてもこの分野の交流は続く、と見込める分野が、もしあるならばということだが、そういう分野なら安心して拡大できる。しかしそうでない分野では、リスク縮小の観点から、なるべく縮小すべきだ。個人的には、母国韓国よりも日本のほうが好きだという韓国人は多数いるが、彼らとの交流が日韓の政治問題の時の人質になるようにしてはならない。なんなら、彼らを韓国人ではなく、特別の枠組みの人たちとアイデンティファイして交流してもよい。つまり彼らに「自分はいかなる意味でも韓国の政治的な存在ではなく、時々の日韓関係の悪化でも韓国側のプレッシャーによって行動を左右されない存在である」というようなアイデンティティーを、日本と韓国の当事者間で用意する。ある文化交流では、「韓国側の参加者」というアイデンティティーではなく、とある在日外国人で、たまたまどこかの国だが、その国とは何の関係もない人、みたいな。

ロシアは隣国だが、その交流は非常に限られている。親日的なロシア人も、YouTubeなどで存在していることは知っているが、国と国との関係は、北方領土問題があることがいちばんの理由で、あまりない。韓国との交流も、1965年の日韓協定が一方的に破棄されようとして、またいろんな経済的、軍事的関係が見直される中で、これは一時的なものではなく、恒久的に両国の関係は縮小されていくことは既に明らかだが、行き着く先は、現在の日ロ関係、あるいはさらにすすんで日朝関係のようなものになる、というイメージで、日韓関係を計画的に、できるだけ整然としてすすめていくべきである。特定アジア3国という反日国家があり、それは単に関係を切っただけで解決できるものでないことは間違いないが、その関係性が常に人質のように利用される現状では、とりあえず日露関係並みに関係を縮小させたうえで、改めて関係改善を考えていけばいい。特定アジアではない東南アジアには、台湾、マレーシア、パラオなど親日的な国が多く、彼らはすでに経済的に動き出し、まだ伸びしろが多い魅力的な市場と考えられ、韓国などに向ける経済的エネルギーをそちらにシフトしていくことで、プラスマイナスを考えればプラスのが多いように思うのだ。常に政治リスクですべてがなくなる経済関係よりもより安定的な交流が見込めるという魅力がある。人口的にも韓国よりも規模がはるかに大きい。

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